その子と先日都内で食事をして、たっぷり5時間近くしゃべって、クリスマスの雰囲気が早くも出始めた街路を彼女の行き先の駅まで送り届けたときに、わけの分からないことが起こった。身体が勝手に動いたんだよ。本当に勝手に動いた。想像だにしないことだった。ぼくの身体が、勝手に、お別れの言葉とともに手を振る仕草をした彼女の手を、つかんで、そのまま引き寄せた。で、ぼくの口が勝手に動いて、言ったわけ。「帰らないで」って。いや、本当に。自分でも、なんだこれ、って思った。そんなことしようなんて本当に一瞬だって考えたこと無いのに、そうなっちゃった。びっくりしてたよ、彼女もぼくも。
そこからあとは、もう、まるで何もかも決められていたみたいに進んでしまった。駅を出てバス停を探して、別のイルミネーションを見に行って、そばのベンチに二人で腰掛けて、キスした。自分の頭や身体が自律的に動くのと、何者かによって動かされるのが半々くらいで、そうなった。自分事と他人事が一緒になったような感じ。なんかもう、圧倒的な感じ。それで、多分彼女の方も似たような感じになっていたんだろうなって、伝わってきて、なんかもうスケールがでかすぎるような満たされ方をした。たぶん、二人とも。キスするのやめて、最初に彼女の口から出てきた言葉が、「いま、なんかすごかったね」だったもん。駅のあたりからすごかったって伝えたら、彼女はそれのもう少し前からずっとすごかったって。
ぼくは今まで、好きっていうのは、意思や感情のことだと思ってたんだけど、違うんだなって悟った。あの、なんかすさまじくでかいものが、「好き」ってことなんだって考えることにした。ちょっと前のことだけど。全然上手く伝えられてないけど、誰かにいいたかった。あと蛇足だけど、彼女はぼくの彼女になってくれた。金曜日から。
2010年11月25日木曜日
今月、「好きっていう気持ち」と劇的な出会いをした。
「魂が身体に宿るのではない。身体が魂に包まれるのだ。」(ニール・ドナルド・ウォルシュ)
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