「バラク・オバマ大統領は今回、中国の胡錦濤国家主席との会談などを通して、中国に対する信頼感を完全に失った。もうほとんど中国に関心がなくなったようである。為替調整などの要求は全く通らず、世界のために中国に何か期待しても全くのムダと悟ったようだ」
「コンサルタントとして相手の顔に人差し指を向けながらレクチャーしたがるオバマ大統領と、官僚出身で何事にも慎重でかつ面子を何より大切にする胡錦濤国家主席はお互いが相容れない存在であることを確認し、お互いが怒りをあらわにし、米中関係は完全に悪化した」
マルムグレン氏は、この結果、米国によるアジア政策は大きく変わる可能性があると指摘する。簡単に言えば、G2などというのはあり得ず、むしろ中国を抜きにしたアジアに政策の重点を移していく可能性さえあるという。
実は、既に米国の産業界では既に中国抜きの戦略が始まっているとも話す。例えば次のような具合だ。
「米国はもはや中国を世界の工場とは認識していない。賃金が急速に上昇し始めた中国で物を作っても国際競争力はない。しかも中国で作る製品は欠陥だらけで、中国以外の市場では通用しない。米企業は中国での生産は中国市場向けと割り切り始めた」
米国の消費者は中国産の食品には手を出さない
「中国に最先端の設備を導入すれば必ずと言っていいほどコピーされ、すぐにライバルとなって米企業に立ち向かってくる企業が誕生する。とりわけ先端的な製薬メーカーなどでその危機意識が高く、技術移転も工場の建設にも二の足を踏んでいる」
「一方、米国の消費者はスーパーで手に取った食品に中国産のラベルがついているのを確認すると、ほとんどの人がそれを棚に返す。安全性に問題があると信じているからだ」
そしてマルムグレン氏が言うには、「賢明な米国の経営者は、中国があと10~15年で中国の人口は減少に転じ、その前から急激な少子高齢化が始まっているのを知っている。50年後を見て投資できる国ではないことも」。
2010年11月27日土曜日
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