2011年5月1日日曜日

東京では気にされない福島での状況: The Voice of Russia

 日本での大地震のあとの福島第一原子力発電所の状況について、世界の専門家らは状況の悪化が進んでいると見ている。結局、冷却システムの復旧はできないままとなっており、解決できていない問題は山積みとなっている。

 その一方で、日本での生活は日常のペースにもどりつつあり、恐怖を忘れてしまいたいという思いが強くなっている。

 専門家らは、福島第一原発の周りの放射線量について、すでに先週の時点で、基準の1万倍のレベルを観測しているほか、発電所の隣の海域では、すでに基準の4500倍の放射性ヨードの含有率が記録されている。また土壌のなかには、放射性プルトニウムも発見された。

 さらにもうひとつの問題となっているのが、放射性の灰、ちりの問題だ。風によって、放射能汚染された砂や他の物質が空に舞い上がり、周辺に撒き散らしてしまうことが指摘されている。理論的には、液状の合成樹脂を撒く方法が考えられている。発電所の上から特殊繊維からなったカバーを掛けることで、表面化した放射能とその汚染物質の拡散を和らげることができる。しかしそのような対策がいつとられるのかについては、いまだ明らかとはなっていない。まずは、原子炉を冷却することが急務となっているからだ。

 事故現場でいったい何がおこっているのかについては、対策にあたっている現場の人にしか分からないものだ。報道関係者に対して、東京電力福島原発の現場担当者と東京事務所との間のメールのやり取りが明らかとなった。

 また原子力発電所の現場作業員のほとんどが地元住民であり、その人たちとその家族は地震および津波の被害を受け、多くの人は家を失っている。

 明らかになったメールのひとつでは、次のように書かれている。

「沿岸部に位置する実家は、津波が襲い、いまでも両親がどこにいるのか分からないままです。しかし避難体制が敷かれているため、家に近づくことはできません。そのような心理状態のもと、非常に大変な作業をしなくてはなりません。しかし東京電力の社員として、自らの職務を全うすることに務め、地震被害者としての心配はその後のこととなるでしょう。」

 一方で福島第一原発から半径20キロ圏内の住民たちは、日本でも村八分の状態となっている。病院での診察をうけるのにも、放射能被爆がないことを証明する書類が必要とされている。また放射能被爆への恐れから、地元行政府は原発周辺の地震、津波犠牲者の遺体を運び出すことをためらっている。遺体を火葬にすれば放射能物質が大気中に舞い上がるおそれがある一方で、土葬にすれば土壌が汚染される危険性がある。国際原子力機関(IAEA)は、放射線量の増加から、避難地域を半径40キロ以内に拡大するよう求めている。

 しかしそこから南へ240キロはなれた日本の首都東京では、まったく違う生活が行われている。たしかに電気の節約のため、無駄な照明やネオンが消され、すこし暗くはなったものの、ショックからは立ち直っていると、ロシア東洋学研究所の主任研究員で、現在拓殖大学で務めるワシリー・モロジャコフ氏は「ロシアの声」とのインタビューのなかで話している。

―日本政府は東京の住民をはじめ、すべての国民に対して、電気の節約を呼びかけている。たしかに夜外にでると、すこし暗くなったと感じますが、それは何か怖いことを呼び起こすようなものではない。無駄な電気が消されただけで、何か生活が変わったということではない。東京ではなんの懸念もされてはいない。それに日本人は非常に意識の高い人々だ。もしも国民一人一人が1つか2つの照明器具を消せば、実際に大きな節電効果を生むからだ。

 人々は単に、できるだけ早く恐怖心を忘れ去ってしまいたいと望んでいるように見受けられる、とモロジャコフ氏は続けている。また日本政府も、すべてはコントロール下にあることを繰り返し力説している。

「魂が身体に宿るのではない。身体が魂に包まれるのだ。」(ニール・ドナルド・ウォルシュ)

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